どうぶつ眼科専門クリニック 院長
VSJ合同会社(VSJ、 LLC) 代表
■アメリカ獣医眼科専門医
■比較眼科学会獣医眼科専門医
【略歴】
2021年6月13日(日)
3:33:20
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一般獣医師 | 27,000円(税込29,700円) |
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角膜は眼球の中で最も外界に近い組織であり、眼球のバリアとして存在するだけではなく、透明な無血管組織であり、その形状、透明性を維持することで視機能維持に大きく貢献している。しかし、日常診療でも多く遭遇するように、角膜はとても傷つきやすく繊細な組織であるため、早期に適切な治療を行われない場合は失明に至ることも少なくない。
現在では、角膜と結膜、輪部に加えて涙液、眼瞼を含めた組織が1つの機能単位としてオキュラーサーフェスと呼ばれるようになり、様々な疾患の病態が総合的に考えられるようになっている。特に角膜損傷につながるドライアイではその考え方に正しい理解が必要とされる。古典的な涙液層の考え方では、 水層を中心にして上皮側にムチン層があり、 大気側に油層が分布して水分の蒸発を抑制しているという考え方だったが、 現在の考え方では涙液層の液層には結膜杯細胞から分泌される分泌型ムチンが水分を保持する形で混じりこみ、涙液層の安定性向上に寄与しているとされる。
その涙膜の異常には涙膜の量的異常と質的異常に大別され、涙液量の減少は量的異常とみなし、水性成分以外の涙膜成分の異常または欠損は質的異常とみなされる。本講演ではこうした涙膜・角膜疾患の正しい理解と動物の眼球維持、視力維持のために傷ついた角膜の治療と管理について紹介させていただく。