的確な治療へ導くための診断推論プロセスを組み立てよう
日本小動物がんセンター センター長
東京都渋谷区桜丘町8-24
大阪会場
兵庫県尼崎市長洲西通1-3-23
06-6483-4371
福岡会場
福岡県博多区博多駅前2-1-1
092-431-1228
会員獣医師: 9,000円 (テキスト代含む)
一般獣医師: 25,000円 (テキスト代含む)
※昼食は各自にてお願い致します。
※参加取り消しの場合は、開催1週間前までにご連絡いただければ受講料から手数料10%を引いてご返金致します。(上記以外のご返金はできません。代理出席は可。但し、個人会員の代理出席者が一般の場合は差額を申し受けます)
近年報告された米国獣医大学のある研究によると、臨床診断と剖検診断の不一致率は37%にものぼるという。つまり、3例中1例は臨床診断が的をついてないことになる。
大学では各疾患の各論についてじっくり教わるが、その疾患にたどり着くまでの診断推論プロセスを教わる時間は極端に少ない。新卒獣医師がいきなり診察できないのも無理がないと思う。医学部でも同様の傾向があるが、医学部ではこの問題に積極的に取り組んでいて、診断から治療に導く臨床教育プログラムが確立している。実は、米国の獣医臨床教育プログラムは、医学部のそれに類似しており、演者が渡米中も「仮説演繹法」という考え方を徹底的にたたき込まれた。仮説演繹法という言葉は聞き慣れないが、ベテラン獣医師や専門医が日常的に利用している診断推論法である。といっても何も難しくない、年齢、性別、品種、ヒストリー、丁寧な身体検査から3つの鑑別診断を挙げ、その鑑別診断に基づいた検査や診断的治療を試み、疾患を段階的に除外しながら最終診断にたどり着くという診断法である。この方法に熟練すると、精査前の仮診断の的中率が80%以上に向上する。ただし、そのやり方にはコツがあり、ただ漠然と診察を繰り返すだけではなかなか身につきにくい。
本講義では、獣医臨床腫瘍学を例にとって、ベテラン獣医師や専門医が用いる診断推論プロセス(仮説演繹法)をじっくりと解説したいと思う。
本講義受講後は、診察室内での診断推論の組み立て方に変化が認められるに違いない。