~適応症例の見極めから投与計画・調剤方法、および管理まで~
東京都大田区 開業
東京都港区芝5丁目26番30号 専売ビル8F
03-3798-4186
大阪市中央区本町1-4-5
06-6264-9800(代)
会員: 9,000円 (テキスト代含む)
一般: 19,000円 (テキスト代含む)
※昼食は各自にてお願い致します。
「静脈栄養」とは、消化管からの栄養摂取が出来ない場合に、静脈ルートから非経口的に栄養を投与する方法を言います。獣医療の分野で静脈栄養が一般的に行われるようになったのはこの10~20年のことで、それ程長い歴史のある治療法ではありません。成書・専門書を見ても、数年前に書かれたものと新しいものとでは、内容にかなりの違いがあり、研究者によっても考え方に違いがあるようです。つまり「静脈栄養」は、未だ発展途上の治療法と言えます。
「治療法」とは言うものの、静脈栄養は特定の疾患に対する特異的治療法ではありません。主に消化器系の外科疾患・内科疾患に対する補助的な治療として、栄養状態の悪化及びこれにより生じる代謝障害を予防して患者の快復を助けるのがその主な目的となります。もちろん消化器系の機能が正常で経口(あるいは経腸)栄養摂取が可能ならば、経腸投与が第一選択になりますが、これが不可能な場合には、静脈からの栄養摂取を考慮することになります。
“静脈栄養”というと「大学病院などの高度な診療施設でのみ行うことの出来る特殊な治療法」と思われるかもしれません。しかし、適切な患者の選択と、正しい投与計画および管理のもとに行われれば、どのような診療施設においても実施することが可能です。今回は静脈栄養の基礎と実際の投与、管理についてお話しします。