日本獣医生命科学大学
臨床獣医学部門 治療学分野Ⅰ・教授
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心臓病に罹患する確率はネコよりも圧倒的にイヌの方が高いと思います。無論、ネコの心臓病といえば心筋症、特に肥大型心筋症および拘束型心筋症が代表的です。心筋症のネコを診察する際、我々は「イヌとネコは異なる動物である」という基本、あるいは「心筋症と僧帽弁閉鎖不全症は異なる疾患である」という常識を忘れ,ついつい、僧帽弁閉鎖不全症のイヌから得た経験・知見・常識などを心筋症のネコに当てはめてはいませんでしょうか?
加えて、この10年ほどでネコの心筋症に関する研究が飛躍的に進歩しましたこの中には無論、診療に直結する重要な知見が含まれています。しかし残念なことに、これらの知見は英語の研究論文として公表されてはいるものの、そのほぼすべてが日本語に翻訳されていないため、多くの一般臨床家にこれらの重要な情報が届いていないと思います。この講演では猫で最も発生が多い肥大型心筋症を中心に、その診断および治療法を解説します。無論、一般臨床家が知っておくべき重要な知見に加えて、演者の経験論もご紹介したいと思います。同時に、僧帽弁閉鎖不全症の犬との決定的な違いについても言及する予定です。この講演を通じて、ネコの心筋症に関する先生方の知識が着実にアップデートできることでしょう。
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