歯科・獣医セミナーの学際企画

【書籍】病気の形態学

【書籍】病気の形態学

日本臨床電子顕微鏡学会モノグラフ日本臨床電子顕微鏡学会 編
B5判・上製本・266頁
ISBN4-906514-46-4
定価:9,000円(税込9,900円)送料別

内容

日本臨床電子顕微鏡学会は、ヒトゲノムプロジェクトが完了したこれからの時代に向けて、学会モノグラフ「病気の形態学」を編纂しました。多くの病気の責任遺伝子が次々と発見されていますが、病気の多くは、特定の細胞や重要な臓器・組織に不可逆的な構造変化を起こし、生理的な生体の機能が障害された結果として生じます。

遺伝子の変化が、どのようにして細胞や臓器・組織の構造の変化を起こし、生体の機能を障害するのかを解析し、ゲノムと病気の間をつないで、「病気のしくみ」の解析を進める学問が新しい時代の「病気の形態学」なのです。

細胞の構造と機能、主な病気の総論にはじまり、多くの主要な「病気の形態学」の各論を盛り込んだ本書が、遺伝子時代の「病気のしくみ」の理解に役立つことを期待します。

執筆者一覧(執筆順、敬称略。所属などは2002年7月現在)*印は編集委員

森 道夫札幌医科大学医学部 名誉教授(病理学)
澤田 典均札幌医科大学医学部病理学 教授
山本 浩司奈良県立医科大学医学部 名誉教授(解剖学)
高田 邦昭群馬大学医学部解剖学 教授
蓮井 和久鹿児島大学医学部解剖学 講師
末吉 和宣鹿児島市立病院病理 室長
村田 長芳鹿児島大学医学部解剖学 教授
萩原 治夫群馬大学医学部解剖学 助教授
横田 貞記山梨医科大学医学部生物学 教授
鈴木 康之岐阜大学医学教育開発研究センター 教授(小児科学)
祐川 和子岐阜大学医学部小児科学
臼田 信光藤田保健衛生大学医学部解剖学 教授
津山 新一郎鹿児島大学医学部解剖学 助教授
中沢 綾美藤田保健衛生大学医学部解剖学
水谷 謙明藤田保健衛生大学医学部解剖学
織田 正也国際医療福祉大学 教授(内科学)
横森 弘昭北里研究所メディカルセンター病院検査科 部長(内科学)
大槻 勝紀大阪医科大学医学部解剖学 教授
石原 得博山口大学医学部構造制御病態学 教授
河野 裕夫山口大学医学部構造制御病態学 助教授
高橋 睦夫山口大学医学部保健学科 教授(病理学)
藤本 淳中村学園大学大学院栄養科学 教授(解剖学)
土肥 良秋産業医科大学医学部解剖学 助教授
緒方 卓郎高知医科大学医学部 名誉教授(外科学)
小林 道也高知医科大学医学部外科学 講師
荒木 京二郎高知医科大学医学部外科学 教授
松浦 喜美夫高知医科大学医学部外科学 助教授
古屋 泰雄高知医科大学医学部外科学
千田 隆夫藤田保健衛生大学医学部解剖学 教授
藤村 宜憲川崎医科大学医学部内科学 講師
円山 英昭高知医科大学医学部病理学 教授
林 芳弘高知医科大学医学部病理学
高原 照美富山医科薬科大学医学部内科学 講師
渡辺 明治富山医科薬科大学医学部内科学 教授
向坂 彰太郎福岡大学医学部内科学 教授
原田 大久留米大学医学部内科学
佐田 通夫久留米大学医学部内科学 教授
林 久男北陸大学薬学部薬物治療学 教授
矢野 元義名古屋大学医学部内科学
岡上 武京都府立医科大学医学部内科学 助教授
市田 隆文新潟大学医学部臨床試験部 助教授(内科学)
中山 宏文高知医科大学医学部病理学
戸井 慎高知医科大学医学部病理学
深澤 啓二郎兵庫医科大学医学部耳鼻咽喉科学 助教授
阪上 雅史兵庫医科大学医学部耳鼻咽喉科学 教授
雨宮 次生長崎大学医学部眼科学 教授
義澤 克彦藤沢薬品安全性研究所 主任研究員
螺良 愛郎関西医科大学医学部病理学 教授
木内 克治関西医科大学医学部眼科学
松村 豪一聖学院大学人間福祉学科 教授(解剖学)
劉 彌林聖学院大学人間福祉学科(呼吸器学)
佐藤 茂日本医科大学中央電子顕微鏡研究施設
小黒 辰夫日本医科大学千葉北総病院病理
川原 清子日本医科大学医学部病理学
淺野 伍朗日本医科大学 学長(病理学)
河本 圭司関西医科大学医学部脳神経外科学 教授
久保田 紀彦福井医科大学医学部脳神経外科学 教授
笠井 治文関西医科大学医学部脳神経外科学
宮上 光祐日本大学医学部脳神経外科学 助教授
上松 右二和歌山県立医科大学医学部脳神経外科学 講師
中村 三郎日本大学医学部総合科学研究所 教授(脳神経外科学)
前田 学奈良県立医科大学医学部解剖学
山内 亨奈良県立医科大学医学部整形外科学
出口 寛文大阪医科大学医学部内科学 助教授
寺崎 文生大阪医科大学医学部内科学 講師
北浦 泰大阪医科大学医学部内科学 教授
大野 伸一山梨医科大学医学部解剖学 教授
槇野 博史岡山大学大学院医歯学総合研究科内科学 教授
諸橋 正昭富山医科薬科大学医学部皮膚科学 教授
豊田 雅彦富山医科薬科大学医学部皮膚科学
西田 圭一郎岡山大学大学院医歯学総合研究科整形外科学
井上 一岡山大学大学院医歯学総合研究科整形外科学 教授
蟹江 良一名古屋文理大学 教授(リハビリテーション学)
高山 一郎山梨医科大学医学部解剖学
若山 吉弘昭和大学医学部神経内科学 教授
覚道 健治大阪歯科大学歯学部口腔外科学 教授
田中 信幸札幌医科大学医学部口腔外科学 助教授
吉原 俊雄東京女子医科大学医学部耳鼻咽喉科学 教授
寺田 信生山梨医科大学医学部解剖学
大朏 祐治高知医科大学医学部病理学 教授
小川 哲平東海大学医学部内科学 教授
四方 伸明関西医科大学医学部病理学 助教授
黒住 昌史埼玉県立がんセンター病理科 科長
工藤 隆一札幌医科大学医学部産婦人科学 教授
岡村 均熊本大学医学部産科婦人科学 教授
片渕 秀隆熊本大学医学部産科婦人科学 講師
大竹 秀幸熊本大学医学部産科婦人科学
進 伸幸慶應義塾大学医学部産婦人科学 講師
青木 大輔慶應義塾大学医学部産婦人科学 講師
塚崎 克己慶應義塾大学医学部産婦人科学 助教授
野澤 志朗慶應義塾大学医学部産婦人科学 教授
斉藤 英子慶應義塾大学医学部産婦人科学
畑 俊夫埼玉医科大学医学部産婦人科学 教授
小澤 一史京都府立医科大学医学部解剖学 助教授
志村 俊郎日本医科大学医学教育推進室 助教授(脳神経外科学)
寺本 明日本医科大学医学部脳神経外科学 教授
森 浩志大阪医科大学医学部病理学 教授

目次

総論

I.細胞と細胞小器官  このページの先頭へ

  1. 細胞総論(森道夫、澤田典均)
  2. 核ラミナの機能的構造 ED型筋ジストロフィーを介して(山本浩司)
  3. 細胞膜(高田邦昭)
  4. 小胞体(蓮井和久、末吉和宣、村田長芳)
  5. ミトコンドリア(萩原治夫)
  6. リソゾーム(横田貞記、鈴木康之、祐川和子、臼田信光)
  7. ゴルジ装置(村田長芳、津山新一郎)
  8. ペルオキシゾーム(臼田信光、横田貞記、鈴木康之、中沢綾美、水谷謙明)
  9. 細胞骨格(織田正也、横森弘昭)
  10. 細胞間結合装置(森道夫、澤田典均)

II.病気の形態学総論

  1. 病気の解析と電子顕微鏡(森道夫)
  2. がん(森道夫)
  3. アポトーシス(大槻勝紀)
  4. 代謝性疾患(石原得博、河野裕夫、高橋睦夫)
  5. アミロイドーシス(石原得博)
  6. 毒物による細胞傷害(藤本淳、土肥良秋)
各論

I.消化管の疾患  このページの先頭へ

  1. 胃疾患とHelicobacter pylori菌感染(緒方卓郎、小林道也、荒木京二郎)
  2. 過形成性ポリープ(荒木京二郎、松浦喜美夫)
  3. 大腸腺腫(荒木京二郎、古屋泰雄)
  4. APC癌抑制遺伝子(千田隆夫)
  5. M細胞の機能と病態(藤村宜憲)

II.肝臓の疾患

  1. 肝線維化と星細胞(円山英昭、林芳弘)
  2. 肝硬変と細胞外マトリックス(高原照美、渡辺明治)
  3. 胆汁うっ滞症とタイト結合(向坂彰太郎)
  4. Wilson病遺伝子(原田大、佐田通夫)
  5. C型慢性肝炎と鉄沈着(林久男、矢野元義)
  6. アルコール性肝障害の病態(岡上武)
  7. 肝臓癌(市田隆文)
  8. 毛細胆管の病態 ―アクチン系の異常と肝内胆汁うっ滞―(織田正也、横森弘昭)
  9. ヒト肝内胆管の構造と肝疾患時における細胆管の増殖(円山英昭、中山宏文、戸井慎)

III.呼吸器・感覚器の疾患

  1. 慢性副鼻腔炎と嗅覚障害(深澤啓二郎、阪上雅史)
  2. 眼部腫瘍(雨宮次生)
  3. 白内障(義澤克彦、螺良愛郎)
  4. 網膜変性症(螺良愛郎、木内克治)
  5. 内耳の疾患 ―内耳有毛細胞の再生―(阪上雅史)
  6. 中耳の疾患 ―慢性中耳炎と石灰化―(阪上雅史)
  7. 気管支腺の病気(松村豪一、劉彌林)
  8. サーファクタントと肺疾患(佐藤茂)
  9. 肺線維症(小黒辰夫、川原清子、淺野伍朗)

IV.神経・血管の疾患

  1. グリオーマ(河本圭司)
  2. 髄膜腫(久保田紀彦)
  3. 中枢性神経細胞腫(笠井治文、河本圭司)
  4. 血管芽腫(宮上光祐)
  5. 中枢神経系内上皮性嚢胞(上松右二)
  6. 上衣腫(中村三郎)
  7. 髄芽腫(中村三郎)
  8. 神経鞘腫(中村三郎)
  9. 血管の構造と機能 ―その病態生理を含めて―(藤本淳、土肥良秋)
  10. 末梢神経の再生(前田学、山内亨、山本浩司)

V.心臓の疾患

  1. ウイルス性心筋炎(出口寛文)
  2. 心臓サルコイドーシス(寺崎文生、北浦泰)

VI.腎臓の疾患

  1. 生体内腎糸球体の立体微細構造(大野伸一)
  2. 糖尿病性腎症(槇野博史)

VII.皮膚の疾患

  1. ざ瘡の発症病理(諸橋正昭、豊田雅彦)
  2. 円形脱毛症と神経系因子の関与(豊田雅彦、諸橋正昭)

VIII.骨・関節・筋肉の疾患

  1. 変形性関節症(西田圭一郎、井上一)
  2. 関節軟骨の各種病的変化(蟹江良一)
  3. 筋ジストロフィーの機能形態学(高山一郎、大野伸一)
  4. ジストロフィンの局在(若山吉弘)

IX.口腔の疾患  このページの先頭へ

  1. 腺様歯原性腫瘍(覚道健治)
  2. 歯原性角化嚢胞(覚道健治)
  3. 石灰化歯原性嚢胞(覚道健治)
  4. 口腔扁平上皮癌(田中信幸)
  5. 口腔悪性黒色腫(田中信幸)
  6. 唾液腺症(吉原俊雄)
  7. 耳下腺良性リンパ上皮性病変(吉原俊雄)

X.血液の疾患

  1. 形態異常赤血球の膜骨格構造(大野伸一、寺田信生)
  2. リンパ球の微細形態(大朏祐治)
  3. ウイルスによるリンパ球性疾患(大朏祐治)
  4. 急性白血病(小川哲平)

XI.乳腺の疾患

  1. マウス乳癌ウイルス(螺良愛郎、四方伸明)
  2. 乳癌(ひと)(黒住昌史)

XII.婦人科の疾患

  1. 子宮頸癌とHPVならびに初期子宮頸癌の超微形態像(工藤隆一)
  2. 子宮頸部悪性腺腫(岡村均、片渕秀隆)
  3. 子宮頸部小細胞癌(岡村均、片渕秀隆、大竹秀幸)
  4. 子宮内膜症(岡村均、片渕秀隆、大竹秀幸)
  5. 子宮内膜の癌化と糖鎖抗原の局在変化(進伸幸、青木大輔、塚崎克己、野澤志朗)
  6. 卵巣癌細胞とβ1,4‐ガラクトース転移酵素(青木大輔、斉藤英子、進伸幸、野澤志朗)
  7. 卵巣腫瘍:漿液性腫瘍、類内膜腫瘍の境界悪性腫瘍と腺癌(工藤隆一)
  8. 卵巣Brenner腫瘍(岡村均、片渕秀隆)
  9. 卵巣線維腫/線維肉腫(岡村均、片渕秀隆)
  10. 卵管の線毛運動(萩原治夫)
  11. 胎盤の異常(畑俊夫)

XIII.内分泌と男性生殖器の疾患

  1. 下垂体前葉細胞のホルモン分泌機構(小澤一史)
  2. 脳下垂体腺腫(志村俊郎、寺本明)
  3. 副腎皮質腺腫(森浩志)
  4. 褐色細胞腫(森浩志)
  5. 精巣性女性化症候群(森浩志)

※講師の所属は開催日時点のものです。