歯科・獣医セミナーの学際企画

【書籍】液状化細胞診(Cellprep®)婦人科子宮頸部細胞診アトラス

著者:冨田 裕彦(大阪府立成人病センター 病理・細胞診断科 主任部長)
   竹中 明美(大阪府立成人病センター 病理・細胞診断科)
A4判・86頁・フルカラー
ISBN978-4-906514-87-8
定価:3,600円(税込3,960円)送料別

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発刊にあたって

米国におけるいわゆるパップスキャンダルや細胞検査士不足といった社会的背景を基盤として登場した液状化検体細胞診(Liquid-based cytology: 以下LBC)は、米国の子宮頸部細胞診検査のほぼ全部を、欧州の約3割を現在占めるに至っている。本邦においてもLBC採用施設は着実に増えつつある。LBCでは、同一検体を用いて細胞診標本作成、免疫染色(p16, Ki67など)、HPVタイピング検査を行うことができ、今後はLBCを用いた多面的な検査が子宮頸部検査、あるいはスクリーニングの主流となることは容易に想像できる。
LBCでは検体採取後の標本乾燥がない、血球や夾雑物が取り除かれるといった標本作成過程での不適切標本の発生が大幅に減少するが、一方で細胞重積性が失われる、壊死・炎症細胞が取り除かれるといった、従来細胞診断において指標としてきた所見が失われる、あるいは変化することがあるので、LBC用のスライド検鏡方法を習得する必要がある。大集団ではなく個々の細胞形態を中心に所見をとり、N/C比、クロマチンパターンの変化、小集塊内での細胞配列を観察することがLBC標本での正確な細胞診断につながるので、従来法と異なる細胞診標本を観察することを念頭において検鏡に臨む必要がある。
本アトラスは、Cell prep®LBCをこれから開始する施設の細胞診専門医、細胞検査士の方々を対象とし、従来法との相違点、検鏡の進め方について実際の症例をもとにした解説書として作成開始した。結果的には、子宮頸部病変を網羅的に解説し従来法とLBCの異同を分かりやすく解説するアトラスが出来上がったと自負している。LBCには各種共通の特徴も多いので、本アトラスはCell prep®以外のLBC 採用施設の方々、またこれから子宮頸部細胞診を勉強しようとしている医師、臨床検査技師の方々にも十分役立つアトラスであることを確信している。(本書『諸言』より抜粋)

内容

目次

  • 第1章 CellprepⓇ システムの概要
  • 第2章 CellprepⓇ システムの基本性能
  • 第3章 CellprepⓇ の細胞像
  • 第4章 CellprepⓇ による細胞診判定の注意

※講師の所属は開催日時点のものです。