医療法人歯愛会 須貝歯科医院 院長
【略歴】
【所属学会】
スタディーグループ火曜会、臨床歯科を語る会、日本小児歯科学会、日本歯周病学会、川崎南部摂食嚥下栄養研究会
【本講演に関わる参考図書】
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子どもたちの成長発育を観察していると、自然に健全な永久歯列になっていく子どもがわずかながらいる。その子たちの乳歯列から混合歯列を経て永久歯列が完成していく過程はきわめて類似しており、子どもたちの口腔内を診ていくかかりつけ歯科医はこの正しい成長発育のパターンを知っておくことが必要であろう。
この正常な成長発育のパターンから外れていく子どもたちが歯列不正になっていくが、その中で最も多いのは、乳歯よりも大きな永久歯が入るスペースが確保されずに交換し叢生になっていくケースである。成人の歯列不正の約半数が叢生であるというデータもあり、歯列不正の予防のためには永久歯のスペースを確保することが重要となる。歯列の拡大には色々な方法があるが今回かかりつけ医が最も取り組みやすく、確実な方法である拡大床治療を取り上げてみたい。拡大床治療は家庭でできる治療法であり、可撤式の装置であるため子どもたちにも受け入れられやすい。一方で確実に装着してくれなければ効果は上がらず、治療期間中の調整やその後の対応まで医院側がしっかり管理しなければ中途半端な治療になってしまう可能性もある。
今回は拡大床治療の始めから、きれいな永久歯列が完成するまでの治療の流れについて詳細に解説してみたい。
※講師の所属は開催日時点のものです。