JAとりで総合医療センター 高齢者歯科 科長
【経歴】
平成16年 東京医科歯科大学歯学部卒業
平成20年 東京医科歯科大学大学院卒業
平成20年 4月より附属病院スペシャルケア外来(旧高齢者歯科外来)、顎顔面外科外来(第一口腔外科)にて勤務
平成27年 東京さくら病院歯科口腔外科部長
平成28年 8月よりJAとりで総合医療センター口腔外科
平成29年 4月からは、口腔外科から独立し、現在はJAとりで総合医療センター高齢者 嚥下歯科科長
日本で初めて「高齢者・嚥下歯科」標榜を取得し、同科科長として業務にあたっています。
2023年2月19日(日)
4:14:46
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近年増加している義歯を要因にした嚥下障害をご存知でしょうか。
適合や咬合の悪い義歯によって口腔機能低下症となり、嚥下障害を引き起こしている患者さんを多く目にします。
本来、適合や咬合の良い義歯を使用していれば、このような状況にはなりません。若い頃であれば義歯に多少の不具合があっても、患者さん自身が上手く使いこなしてくれますが、加齢とともに口腔機能が衰えるとその不具合が症状として顕著に現れます。また、それだけでなく、不良な義歯を使いこなす過程で、後の機能低下の誘因となっている事があります。私はこれを「義歯性嚥下障害」と呼んでいますが、オーラルフレイル、口腔機能低下症の病態の中には補綴物が影響している側面も少なからずあります。
義歯というのは義足と同様に、その人の状態や障害に応じたものであるべきですが、残念ながらそうではない義歯が多く、義歯性嚥下障害と診断されるケースが後を断ちません。機能の衰え方には個人差があり、緩やかに衰える方もいれば、入院を契機に、突然スイッチが入ったように衰える方もいます。
補綴治療と嚥下治療は別物ではなく同時並行的に行われるものであり、こうした考え方で診ていくことが、超高齢社会の今、かかりつけ歯科医には求められていると思います。外来患者の高齢化が進む中では口腔機能は全身疾患の影響を多分に受けます。補綴物に対して、いかなる配慮が求められるのか?
本セミナーでは、多数の症例を提示しながら、何が問題で、高齢者の歯科治療、特に補綴治療にあたりどのようなポイントに注意する必要があるのかについて解説します。