日本歯科大学大学院生命歯学研究科 臨床口腔機能学 教授
日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長
【著書】
『誤嚥性肺炎を防ぐ安心ごはん』女子栄養大学出版
『歯科と栄養が出会うときー診療室からはじめるフレイル予防のための食事指導』医歯薬出版
『あなたの老いは舌から始まる』NHK出版
『ミールラウンド&カンファレンス』医歯薬出版
『チェアサイドオーラルフレイルの診かた』医歯薬出版
『絵で見てわかるー認知症「食事の困った!」に答えます』女子栄養大学出版
『絵で見てわかるー入れ歯のお悩み解決』女子栄養大学出版
『食べる介護がまるごとわかる本』メディカ出版
『高齢者の口腔機能評価NAVI』医歯薬出版
『基礎から学ぶ口腔ケア』学研
『図解 介護のための口腔ケア』講談社
【略歴】
10:00~16:00(昼休憩含む)
2022年5月22日
4:23:31
法人・個人会員 | 9,000円(税込9,900円)ご入会はこちら |
ウェブ会員 | 12,000円(税込13,200円)ご入会はこちら |
一般歯科医師 | 38,500円(税込35,000円) |
「口腔機能低下症」鳴り物入りで登場し、削って詰めるという歯科医師のイメージに一石を投じると期待されたが、十分には普及しているとは言えない。口腔機能低下症を診断したら、要介護にならないために、機能訓練を提案し生活指導をする。これが表メニューである。しかし、現実的にはその効果は、要介護状態になるのと少し先延ばしにする程度で、低下症の症状が出ているということは、ピンピンコロリとはいかなくなったサインだともいえる。8020者が増えているなかで、咀嚼困難を訴える患者は一向に減らない。歩行障害の原因が足の欠損や靴の不適合でないように、咀嚼障害の原因は、歯の欠損や義歯不適合でないのも明らかであり、そのために、舌圧をはじめとした評価が必要なのである。これにより、咀嚼困難を義歯では治せないことを証明することになる。ならば、思い切って、要介護になることを想定した口腔管理に大きく舵を切るのはどうだろうか? 今後、歯科疾患の発症や重症化が加速することが予想されるため、メインテナンス間隔を短くするべきであるし、抜歯を必要とする歯はなるべく早く抜歯をした方が良い。なぜなら、次、その患者に会うときは枕元かもしれないからである。このようにとらえると、口腔機能低下症を通して違った景色が見えてくる。本講演では、口腔機能低下症を裏から読み解いてみたい。