歯科・獣医セミナーの学際企画

No.677 摂食嚥下の評価とPAP(舌接触補助床)の臨床

摂食嚥下の評価とPAP(舌接触補助床)の臨床

講師

戸原 玄 先生

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻
老化制御学講座高齢者歯科学分野 准教授

飯田 貴俊 先生

神奈川歯科大学全身管理医歯学講座全身管理高齢者歯科学分野 講師

プログラム

・10:00~16:00(昼休憩・コーヒーブレイク含む)

1.摂食嚥下の評価と臨床対応 担当:戸原 玄(10:00~12:00)
  • 摂食嚥下障害のアセスメント
  • おそらく歯科医師が苦手な部分である、嚥下障害患者のアセスメントの仕方を復習します
  • 口の機能や嚥下機能のテストなどというよりも、より患者の状態を把握するための見方を中心に行います
  • 症例検討グループワーク(実際の症例をご覧いただき、少人数のグループワークを行います)
2.PAPを中心とした摂食嚥下障害の臨床対応 担当:飯田貴俊(13:00~15:00)
  • 摂食嚥下障害への対応のバリエーション
  • すぐに効果がでやすい”代償的”アプローチ
  • 口腔ケアとセットでおこなっていただきたい、簡便な機能訓練
  • 今すぐ始められる“摂食機能療法”
  • PAPが適応となる病態
  • PAPの効果
  • PAPの具体的な作製方法
  • PAPのフォローアップ
3.総合討論・質疑応答 担当:戸原 玄・飯田貴俊(15:10~16:00)

開催日時・会場

福岡会場

平成30年4月8日(日)10:00~16:00

福岡朝日ビル

福岡県博多区博多駅前2-1-1

092-431-1228

  • JR・地下鉄 博多駅 博多口 徒歩約2分

大阪会場

平成30年4月15日(日)10:00~16:00

大阪府社会福祉会館

大阪市中央区谷町7-4-15

06-6762-5681

  • 地下鉄谷町線,長堀鶴見緑地線 谷町6 丁目駅下車 4番出口(200m)約5 分
  • 地下鉄谷町線,千日前線 谷町9 丁目駅下車 2番出口(北へ500m)約10 分
  • 近鉄大阪線 上本町駅下車 地下道で谷町9 丁目駅2番出口へ

東京会場

平成30年5月20日(日)10:00~16:00

駐健保会館 4F 大会議室

東京都港区芝3-41-8

財団法人駐留軍労働福祉財団
03-3452-3461

  • JR山手線・京浜東北線 田町駅 三田口(西口)より 徒歩10分
  • 都営地下鉄三田線・浅草線 三田駅 A10出口(日本電気口)より 徒歩5分

受講料

学際デンタルセミナー会員9,720円(税込)(テキスト代含む)ご入会はこちら
一般歯科医師37,800円(税込)(テキスト代含む)
歯科衛生士・歯科助手16,200円(税込)(テキスト代含む)
  • 法人会員(学際デンタルセミナー会員)所属の歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士・歯科助手等の受講料は前納料金(税込9,720円)が適用されます。
  • 参加取り消しの場合は,開催8日前までにご連絡いただければ受講料から手数料10%を差し引いて返金いたします。それ以後のご返却はできません(代理出席可:会員の代理に会員以外が出席される場合は差額を申し受けます)。

※学際デンタルセミナー会員(個人会員・法人会員)の通常セミナー受講料は、本年より前納に限り税込9,720円とさせていただきます。
※受付作業円滑化のため、事前振り込みのご協力をお願い申し上げます。
※当日のお支払の場合、受講料は税込10,000円とさせていただきます。

開催にあたって

超高齢社会である日本では、肺炎による死亡数は昨年度3位となった。その原因は人口の高齢化により誤嚥性肺炎が増加したためではないかと考えられており、歯科医療従事者も嚥下障害に積極的に対応すべき時代となっている。
現在の日本では入院中にリハビリテーションを十分に行うことができないまま退院もしくは転院する場合が多い。嚥下障害が残存している状態で在宅へ移行する患者が多いが、その先で何も行われなくなる、もしくは退院時の状態が永続的なものとされて対応を続けられるのが問題なのである。極端な表現をすると、食べる機能についてのリハビリテーションが中途なまま退院を余儀なくされているのに対し、退院後在宅に戻っても、“ただそのまま”になっている患者が多いのである。
今回は過去に行った胃瘻に関連する調査の内容も含め、さらに地域連携の研究班で行った摂食嚥下関連医療資源マップ(http://www.swallowing.link/)なども紹介しつつ経口摂取を支えるためにできることを考えてみたい。(戸原 玄)

近年、社会の高齢化に伴い摂食嚥下障害患者が急増し、医療・介護領域、そして一般市民にいたるまで、摂食嚥下リハビリテーションに注目が集まり、対応職種は多岐にわたっている。摂食嚥下障害の対応の中で、歯科医師だけが行えるものとして嚥下補助装置の作成がある。代表的な嚥下補助装置の一つに舌接触補助床(Palatal Augumentation Protheses: PAP)がある。
PAPは平成22年に保険点数の適応となり、主に摂食嚥下の 5 期分類における口腔期(口から咽頭への送り込み)の改善に寄与する。例えば摂食嚥下障害の症状として代表的な“むせ”は咽頭期障害(咽頭から食道への移送障害)であるため,必ずしも PAPの適応とならない.しかし実際には障害のタイプにかかわらず臨床で PAPが適応され,効果が得られていない症例を見ることがある。
また、作製方法も十分周知されておらず、不適切に製作されたPAPを臨床でみかけることがある。講演では口腔期障害の病態、PAPの適応、具体的な作製方法等について解説する。(飯田貴俊

※講師の所属は開催日時点のものです。