注)本セミナーのテキストは受講者のみの配布となります。会員様への事前配布・販売はございませんので予めご了承のほど,お願い申し上げます。
日本歯科大学東京短期大学 教授
日本歯科大学附属病院顎関節症診療センター
名古屋市熱田区熱田西町1-1
052-683-7711
東京都新宿区南元町4番地
03-3353-4311
会員 | 9,000円(テキスト代含む) |
一般歯科医師 | 35,000円(テキスト代含む) |
一般衛生士 | 15,000円(テキスト代含む) |
一般技工士 | 15,000円(テキスト代含む) |
顎関節症とは何か?それは、顎機能障害が発生している状態から、顎関節自体の疾患をのぞいたものである。これは定義としてとらえてほしい。というのは、顎関節症は機能障害であるにも関わらず、顎機能に障害が起きていないにも関わらず『顎関節症である』という診断が下されることが多いのである。従って、この定義に厳密に治療の方法を考えていかなくてはならない。従来の顎関節症の治療方針をもう一度洗い直して、病態分類というよりも、治療方針別分類を立ててみた。それは、生活習慣だけでなく、本人の責任によらない顎関節症も存在し、これには明らかに治療の手が必要であることを示している。
近年はこの新しいタイプの顎関節症の存在が明確になり、定義と分類について再検討をおこなったものである。
また、咀嚼機能との関わりで、咬合の関与する顎機能への障害経路についても明らかになってきた。補綴物の咬合の設計の際に、どのような咬合関係と咬合様式を付与すべきか、天然歯列も含めて、もう一度考えてみたい。というのは、咬合は咀嚼機能だけではなく、身体的な骨格の一部としての機能があり、骨格的な意味を再検討した。
補綴の必要性について。欠損した部位にどのような補綴を付与すべきか。また補綴物に付与すべき咬合について明確に語ります。補綴物の咬合を歯科技工士任せにしている方々には是非聞いて頂きたいと考えている。咀嚼のしかたは頸椎をはじめとして、骨格系に大きな影響力を持っている。この咀嚼の仕方の決定要素として、補綴物の咬合がある。この補綴物の咬合は、咀嚼という目的が第1であるが、骨格的意味についても見逃すことができない。咀嚼機能と骨格機能の両立が補綴物の咬合に求められている。
自分の臨床を振り返ってみて、咬合についての再検討を是非して頂きたいと願っている。顎関節症も、補綴も咬合も、基本的な考え方をマスターしてほしいものである。これらには共通する考え方として公式が存在する。この公式の考え方をご理解いただけるようになれば、治療の成果は必ずや向上すると思われる。