適応原理を理解し、骨折治療の幅を広げる
日本獣医生命科学大学 獣医外科学教室 教授
質疑応答
東京都新宿区南元町4
03‐3353‐4311(代表)
大阪市中央区谷町7-4-15
06-6762-5681
福岡会場
福岡県博多区博多駅前2-1-1
092-431-1228
会員獣医師: 9,000円 (テキスト代含む)
一般獣医師: 25,000円 (テキスト代含む)
※昼食は各自にてお願い致します。
※参加取り消しの場合は、開催1週間前までにご連絡いただければ受講料から手数料10%を引いてご返金致します。(上記以外のご返金はできません。代理出席は可。但し、個人会員の代理出席者が一般の場合は差額を申し受けます)
小動物臨床において骨折は日常的に遭遇する可能性の高い整形外科分野の損傷です。一言で「骨折」といっても、その原因(外傷性 / 病的)、受傷時の外部エネルギーが全身そして局所へ及ぼす影響、骨の損傷の程度は多様であり、中には難治性のものも含まれます。この中でも、皮膚そして主要な神経や血管の同時損傷を伴わない多くの外傷性骨折は、適切に治療することにより骨癒合が得られ、受傷肢の機能障害は改善します。しかしながら、臨床的には様々な要因に関連して癒合不全などの骨折治療に伴う合併症が発生しています。
私が勤務している日本獣医生命科学大学・動物医療センターにも多くの癒合不全症例が紹介されてきますが、その中には、癒合不全の原因として不適切な外科手技が関わっているものも少なくはありません。適切な治療を行うことにより治癒する骨折を治療できないという結果は、オーナーに対して、その動物病院の診療レベルに関わるすべての信頼をも失わせるきっかけになりうる危険性があります。
今回のセミナーにおいては骨折治療のGold standard といっても過言でない「内固定法」に関連した内容で、「内固定法の基礎」、「成長板骨折の治療」、そして「癒合不全の治療」について解説します。内固定法は受傷後間もない長管骨の非開放性骨折の他、骨盤骨折、脊椎骨折など多くのタイプの骨折に適用することが可能であり、さらには矯正骨切り術、関節固定術、あるいは癒合不全の治療にも応用することができます。この適用原理を十分に理解し、適切なインプラントを選択し、正確なアプローチ法に従い、各手技を正確に実施すること、そして術後の定期検診と処置を確実に行うことにより、ほとんどの骨折を治療することができます。