日本大学獣医外科学研究室 専任講師
他、インストラクター 数名
協力 ミズホ株式会社
東京:定員 4 8 名
大阪:定員 4 0 名
福岡:定員 3 6 名
講義1)変性性腰仙椎狭窄症(馬尾症候群)について
・病態、診断、保存療法、外科手術実習2)腰仙椎部の背側椎弓切除術実習3)腰仙椎固定術
講義1)外傷性脊髄損傷について
・病態、保存療法、外科手術、再生医療の是非、リハビリテーション実習2)プレートによる椎体固定術デモ解説3)アリゲータプレートによる棘突起固定術実習4)スクリューと骨セメントによる椎体固定術
※実習では骨セメントではなく、レジンを使用します。
(福岡市博多区)
会員獣医師 | 49,000 円+実習材料費17,000 円 |
一般獣医師 | 65,000 円+実習材料費17,000 円 |
今回のテーマは、手術を多く手掛けていない者にとっては縁のない内容に思えるかもしれない。さらに、 交通事故や落下といった外傷による脊髄損傷の発生が減少傾向にあるのも周知の事実である。しかし、椎骨の脱臼または骨折が生じた症例が来院し、院内で対応しなくてはならなくなった時に、初めて成書に多くのことが記述されていないことに気づかされる。そのような理由から、飼い主が何かしらの理由で二次病院での診察を拒んだ場合や、緊急性を要し自身で脊柱固定術を行わなくてはならない状況におかれた場合に、 初めて困惑する獣医師は少なくないであろう。
脊柱固定術は、成書を読んだだけで簡単に行うことのできる手術ではない。椎体へのピンやスクリューの刺入方法は、成書を一度読んだだけでは把握できない。また、スクリューと骨セメントによる椎体固定、骨プレートを用いた椎体固定、アリゲータプレートなどを用いた背側固定の各々の難易度や固定力の違いは 一度体感しないとわからない。
今回のもうひとつのテーマは、変性性腰仙椎狭窄症(いわゆる馬尾症候群)である。動物の高齢化が進み、 脊柱領域の変性性疾患を診断する機会が増加してきている。これらの中で椎間板ヘルニアを診断する機会が最も多いが、変性性腰仙椎狭窄症に遭遇する機会も決して少なくない。しかし、椎間板ヘルニアの外科手術は行えるが、変性性腰仙椎狭窄症の外科手術には手が出せないという獣医師は多いと思われる。これらの症例の多くは背側椎弓切除術が適応となるが、他の部位と異なり多少のコツが必要だからである。 また、腰仙椎固定術も追加する必要があるかもしれないが、その適応や手技についても成書に多くは記載されていない。
今回の実習は、犬の脊柱モデルを使用して、これら全ての手技を体験・観察できる点で非常に有益で、成書だけではわからない細かなテクニックを習得できる良い機会である。“百聞は一見しかず”である。合併症の少ない手術を目指し、是非とも多くの方が参加して頂くことを望む。