鶴見大学歯学部探索歯学講座 教授
1.日本における地域包括ケアシステムの意義
2.病気の原因は3つの慢性炎症
3.病気の根本療法は6つの要因の管理
4.口腔と腸内細菌叢の関係
5.口腔と生活習慣病の関係
6.バイオフィルム感染症
7.バイオフィルムの物理的除去
8.バイオフィルムの化学的除去
9.バイオフィルムの生物学的・免疫学的除去
10.地域包括ケアシステム構築における口腔細菌管理の意義
福岡会場
福岡県博多区博多駅前2-1-1
092-431-1228
東京都渋谷区桜丘町8-24
大阪市中央区谷町7-4-15
06-6762-5681
学際デンタルセミナー会員 | 9,000円(テキスト代含む) |
一般歯科医師 | 35,000円(テキスト代含む) |
歯科衛生士・歯科助手 | 15,000円(テキスト代含む) |
地域包括ケアシステムの構築は、厚生労働省が2025年を目途に進めている最重要課題である。この中で、歯科診療所が主導的に行う業務の一つに口腔細菌の管理がある。ワクチンと抗菌薬で対応する通常の感染症とは違い口腔感染症の多くはバイオフィルム感染症である。その管理には、物理的、化学的、生物学的手法があり、それぞれ専門的な知識と技術を必要としている。歯科診療所が積極的に口腔細菌管理に取り組むことにより、う蝕と歯周病だけでなく、日本人の主要な死亡原因となる重要疾患の発症リスクを低下させることができる。
主要な病気の根本療法が栄養・運動・休養・禁煙・節酒・歯の健康の6要因の管理であることが判明した今日では、医療の主戦場は6要因の専門的管理になった。歯科医師・歯科衛生士はPMTC、3DS、プロバイオティクスなどの技術を駆使した口腔細菌管理を通して生活習慣病を発症させない医療サービスを提供し、それぞれの地域において住民の健康寿命を延伸させることが大切である。
これからの医療者にとって発症させない医療が主な戦場であり、疾病治療は予防の願いが叶わなかった患者に対する「敗戦処理」なのである。歯科医師・歯科衛生士は口腔細菌管理の手法をマスターして積極的に発症予防に取り組み、地域包括ケアシステムにおいて重要な地位を占めることが大切である。