8020運動に続く口腔機能改善の新しい時代へ
東京大学 高齢社会総合研究機構 准教授
東京都健康長寿医療センター研究所 副部長
10:00〜12:00
Ⅰ.『オーラル・フレイル』 から見直すフレイル予防 〜戦略的学術研究から国民運動論へ~
講師:飯島 勝矢 先生
①新概念「フレイル」を用いて、我が国日本に新しい健康増進活動および介護予防事業をどのように創り上げていくのか。
②その大きな潮流の中で、歯科口腔分野において今何が求められているのか。
③フレイル概念の中での『オーラル・フレイル』という新概念を今後どのようにエビデンス補強していくのか、そして国民啓発して行くのか。
④専門職の中でも医科-歯科-栄養連携により、いかに『食べる』ということにこだわるのか。そして国民をこだわらせることが出来るのか。
⑤まさにコミュニティーのリデザインによって、いかに「社会参加という処方箋」をどのように切って行くのか。そして専門職能もどう関わるのか。
13:00〜16:00
Ⅱ.オーラルフレイルの評価と対応 ~後期高齢者歯科検診から口腔・栄養複合プログラム~
講師:平野 浩彦 先生
①国立長寿医療研究センター、東京大学高齢社会総合研究機構が厚生労働省事業で提案したオーラルフレイルの概念構造について
②食べる機能への障害(脳卒中などの疾患以外が原因)に対する予防方策としての期待
③「前フレイル期」、「オーラル・フレイル期」、「サルコ・ロコモ期」、「フレイル期」の4つのフェーズについて
④オーラルフレイル予防のための口腔機能評価方法と予防・介入手法について
※表記の通り開催予定です
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学際デンタルセミナー会員 | 9,000円(テキスト代含む) |
一般歯科医師 | 35,000円(テキスト代含む) |
歯科衛生士・歯科助手 | 15,000円(テキスト代含む) |
Ⅰ.『オーラル・フレイル』 から見直すフレイル予防
フレイル(虚弱)予防を推し進めるには、その根底をなすサルコペニア(加齢性筋肉減弱症)という大きな問題があり、なかでも高齢者における食の安定性を改めて再考する必要がある。高齢者における『食力』に改めて焦点を合わせ、医科・歯科・栄養、そして社会的な側面をも含んだ大局的な視点から大規模研究を遂行した結果、特に早期の所見として「口腔の虚弱(オーラル・フレイル)」とも言うべき歯科口腔分野の軽微な機能低下や食の偏りも認められた。誰しもが避けられない虚弱フローをイメージする中で、国民自身がより早期から「しっかり噛んで、しっかり食べ、しっかり動く、そして社会参加を!」という基本的な概念を再認識し、結果的に意識変容~行動変容につなげられるのかが鍵となる。そしてそこに我々専門職がどのように関わるのか、皆で考えてみたい。(飯島 勝矢)
Ⅱ.オーラルフレイルの評価と対応
高齢者口腔保健活動は8020運動を中心に展開され、その達成者の割合は5割に近づこうとしている。
そういった中、歯数だけでなく機能面なども包含した概念であるオーラルフレイルが注目されている。オーラルフレイルの概念構造は現在も検討中であるが、国立長寿医療研究センターが厚生労働省事業で提案した概念が検討の中心となっている。
この概念は食べる機能への障害(脳卒中などの疾患以外が原因)の予防方策を検討する有効なモデルになると期待される。
オーラルフレイル予防として、介護予防を目的とした口腔機能向上、複合プログラムなどを参考に検討されており、当日はその評価法、予防法なども含め紹介していきたい。(平野 浩彦)