鷹岡歯科医院 院長
【略歴】
1990年 日本大学歯学部卒業
同 年 鉄鋼ビル歯科診療所勤務(宮地建夫先生に師事)
1995年 現在地に開業
【所属スタディグループ】
火曜会・臨床歯科を語る会
日本歯科医師会雑誌編集委員(2015〜)
【著書】
【編著】
2025年1月26日(日)
約90分
テキスト付き | 受講期間:2025.3/1〜2026.2/28
法人・個人会員 | 無料(申込不要)ご入会はこちら |
ウェブ会員 | 7,000円(税込7,700円)ご入会はこちら |
一般歯科医師 | 12,000円(税込13,200円) |
慢性疾患である歯周病は、疾病の未来が読みにくい。その理由は初発が不明で原因が複雑であるということもあるが、患者個々の体質や性格、価値観、生活環境や心理的ストレスによって疾病が影響を受けてしまうことも未来を見えにくくしている。とすれば、私たちは歯周基本治療の間に患者がどんな人でどんな治療を望んでいるのかを把握することが必要になる(患者単位)。ここで躓いてしまうと歯周治療は成立しない。次に口腔内を観察して治りやすい症例なのか治りにくい症例なのかを推察する(口腔単位)。事前に症例の難易度を篩い分けできれば患者への説明から違ってくるはずで患者の関心度や協力度が高く、治りやすい症例であれば積極的な治療方針を提示できる。積極的な治療が可能で回復の可能性も高いとなれば、一歯単位の病態を把握できていること、それを改善する技術を習得していることが未来を提示する最後の壁になる(一歯単位)。治りやすいと推察しても術者に骨欠損や根分岐部病変への対応能力がなければ「あなたの歯周病は治ります」とは伝えられない。未来の情報を少しでも患者に提示するには患者単位・口腔単位・一歯単位という3つの要素を統合して治療計画を立案し、情報提供をしてゆかなければならなず、本講演では「考える歯周治療」の一端を紹介したい。