~ダメージコントロールに必要な基礎手技と適応力を磨く~
下館動物病院オーナー・手術屋
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※昼食は各自にてお願い致します。
※参加取り消しの場合は、開催1週間前までにご連絡いただければ受講料から手数料10%を引いてご返金致します。(上記以外のご返金はできません。代理出席は可。但し、個人会員の代理出席者が一般の場合は差額を申し受けます)
外科手術シリーズ『BACK TO THE BASICS』最終回は、泌尿器疾患と呼吸器疾患に対して、臨 床で実施可能な、あるいは臨床医が習得すべき外科的対処法と理論について解説します。
外科領域の中でも、この二つの分野の特徴は、エマージェンシーの要素が強く、内科的に強力な 支持療法が必要であるとともに緊急的手術を要求されるケースが多く含まれていることにあります。一般に臨床医が実施すべき手術は、日常的なもの、容易なものと考えられがちですが、たとえ難易度の高い手術であっても、緊急時の救命に必要な手術は臨床医に必須の技術だと思います。
ここでは、まず手術には“ダメージコントロール手術” と“根治手術” があることを理解してもらいます。これは、たとえば喉頭の腫瘍で呼吸困難から危機的状況になっている症例に対して実施されるべきは一時的気管瘻の作成であり、腫瘍の摘出ではないということ。事故で尿管断裂した症例がPreDIC状態であれば、尿管吻合より、単純な一時的尿管結紮や腎瘻が適応になるということ。 これらのケースでは「最高」の手術はときに「最善」の手術ではなく、最優先されるべき事項は「救命」であって「治療」ではないことを念頭に、術式の適応を判断することが重要です。
臨床では全ての症例に対する治療的手術を覚える必要はありません、しかし、さまざまなダメージコントロール手術ができなければ症例は命を失うことになります。生体への侵襲はその総和で程度が決定され、手術もその侵襲のひとつであることを考慮すると危機的状況での手術は「短時間」かつ「低侵襲」、さらに「高い確実性」が基本になります。したがって、これらの手術は治療的手術よりも容易に実施することが可能で効果も確実です。今回は、呼吸器疾患、泌尿器疾患に対する治療的手技を紹介するとともに、この“ダメージコントロール手術” にもスポットをあててお話したいと思います。