〜適応と限界を理解する〜
日本大学獣医外科学研究室 准教授
日本大学動物病院整形外科 小動物外科専門医
【総 論】
・ 骨折の定義および型
・ 髄内ピンの適応と原則
・ サークラージワイヤーの適応と原則
・ クロスピンの適応と原則
・ テンションバンドワイヤーの適応と原則
【各 論】
・ 上腕骨骨折に対する髄内ピンとサークラージワイヤーによる整復術
・ 肘突起骨折または骨切り術に対するテンションバンドワイヤー法
・ 橈骨遠位端骨折に対するクロスピンによる整復術
・ 中手骨骨折に対するピンニング
・ 大腿骨大転子骨切り術に対するテンションバンドワイヤー法
・ 大腿骨長斜骨折に対する髄内ピンとサークラージワイヤーによる整復術
・ 大腿骨遠位端骨折に対するクロスピンによる整復術
・ 脛骨骨折に対する髄内ピンとサークラージワイヤーによる整復術
・ 脛骨内果骨折に対するテンションバンドワイヤー法
・ 踵骨骨折に対するテンションバンドワイヤー法
・ 中足骨骨折に対するピンニング
質疑応答
兵庫県尼崎市長洲西通1-3-23
06-6483-4371
福岡会場
福岡県博多区博多駅前2-1-1
092-431-1228
※東京会場は5/28(日)から変更となりました
東京都港区新橋5-15-5 交通ビルB1
財団法人 国鉄労働会館
03-3437-6733
会員獣医師 | 9,000円 (テキスト代含む) |
一般獣医師 | 25,000円 (テキスト代含む) |
犬や猫における骨折の罹患症例は減少傾向にあるものの、いずれの動物病院でも年間を通じて何例かは来院する。それらの中には手術による整復が必要となることがあるが、飼い主の治療にかけられるコストの問題から最良の固定装置を用いることができない状況がある。また、年間の骨折症例数に対する器具への投資を考慮し、必ずしもプレート等のセットを常備できない施設もある。そのような際には、ピンとワイヤーを用いて骨折整復術が行われることが多いであろう。
ピンとワイヤーを用いた骨折整復術は、低コストで誰でも簡単に行うことができるが、適応を熟知して正しい手法を習得して行わないと、再骨折や癒合不全などの合併症を招く。長幹骨の斜骨折では、髄内ピンとサークラージワイヤーによる整復が選択できる。一般的に、中手骨および中足骨の骨折にはピンニングが行われている。裂離骨折または肘頭や大転子の骨切り後には、テンションバンドワイヤー法が適用される。骨端部の成長板骨折には、クロスピンによる固定が最良である。一方で、これらの手法は粉砕骨折などの一部の骨折では適応とならず、合併症が高率で生じる。本講演を通じて、ピンとワイヤーを用いた骨折整復術の適応と限界を理解して頂けたら幸いである。