口臭の発生機序とその検査、診断、治療
フジタ動物病院 院長
東京都港区新橋5-15-5 交通ビルB1
財団法人 国鉄労働会館
03-3437-6733
兵庫県尼崎市長洲西通1-3-23
06-6483-4371
福岡県福岡市博多区博多駅南1-8-31
092-467-1113
会員獣医師 | 9,000円 (テキスト代含む) |
一般獣医師 | 25,000円 (テキスト代含む) |
看護師 | 15,000円 (テキスト代含む) |
日常臨床で、口臭を主訴に来院される飼い主さんは少なくありません。口臭は、口腔疾患以外の疾患、例えば胃腸疾患や腎臓疾患などによる場合もありますが、多くは口腔歯科疾患に起因しています。このうち、もっとも多い疾患は歯周病です、歯周病は歯垢中の歯周病原性細菌により歯肉ばかりでなく、他の歯周組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質)が炎症を起こす疾患です。さらに、歯周病を放置することで、歯周病に起因した外歯瘻、内歯瘻、口腔鼻腔瘻、あるいは下顎骨骨折などを生じた場合も激しい炎症が根底にあるために通常、口臭をともなうことが多いです。口臭の発生機序は、口腔内に生じた炎症により口腔内剥離上皮細胞、唾液、歯肉溝滲出液あるいは歯垢中のタンパク質やアミノ酸が口腔細菌により分解された結果、揮発性ガスが産生されたことによります。したがって、獣医領域で口臭を認める口腔歯科疾患として、歯周病と歯周病に起因した顎顔面疾患の他に、猫の歯肉口内炎、歯の破折・露髄により歯髄炎や歯髄壊死を引き起した場合なども口臭を認めます。さらに口腔内腫瘍が認められるとその表面が炎症や壊死を生じますので口臭を認めます。
今回のセミナーでは、日常臨床において口臭の発生機序と比較的よくみられる口臭を認める口腔歯科疾患の検査、診断、治療について解説していきます。